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平素はウイン募集馬への温かいご声援を賜り、心より御礼申しあげます。
暑い夏を乗り越えて、牧場では仔馬たちがのびのびと育ち、1歳馬の馴致や調教も始まりました。そして、秋が深まる11月のイベントといえば、第2次募集です。
2次募集はセリ市場からの仕入れが中心ですので、今年もセリ市場の話題から始めさせていただきます。市場を知ることは、クラブだけではなく世間の馬に対する興味の度合い、業界としての馬の価値、需要を知る上で大事なことです。募集価格に関しても、会員様ご自身のお財布事情とはまた別の視点の情報として参考にしていただければと思います。
セレクトセールは昨年同様、当歳、1歳合わせて2日間のセリが開催されました。売却総額は初めて300億円を突破し、これまでの最高額327億円(前年比113%)となりました。売却率も当歳、1歳を合わせた過去最高となる97.0%を記録しました。凄いですね。ホントに驚異的です。会員様の中には「このセリは社台グループのお祭りごとなんだから、あなたには関係ないでしょう」と思われる方もいるかもしれませんが、若輩ながら私も、この市場を運営している日本競走馬協会の理事をつとめておりますので、無関係ではありません。
続くセレクションセールは上場馬数363頭の2日間開催で、昨年の484頭から121頭減り、売却率は84.8%(昨年から0.3%減)ですが、平均価格は1864万円(昨年から7%増)でした。さすがに、社台グループと日高の生産馬の売却額には差がありますが、思ったよりも全然価格が下がらない状況です。毎年、「こんな景気が続くわけがない」と思っていますが、続きますね……。
馬の市場価格が高騰する中でも、今回はかなり良い価格で仕入れることができたので、比較的にお手頃な価格の募集になったと思います。馬が売れれば売れるほど、販売者は見た目を良くしてくるので、購買者はそれに騙されずに本質を見抜く目が必要になります。今回の2次募集馬は、厳しく吟味した中で選ばれた馬達です。自信をもっておすすめできます。
1次募集はコスモヴューファーム生産馬が中心なのでおなじみの血統が増えてきましたが、市場取引馬が多い2次募集では思いがけない出会いがあるのがおもしろいところです。ひと味違った馬たちが、皆様の毎日に新たな喜びを届けてくれることを願っております。
2025年10月
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