北海道ではすっかり気温が下がり、冬の足音を感じる頃となりました。1歳馬たちは夏を越してたくましくなり、離乳を終えた当歳馬たちも群れとなって昼夜放牧の日々を過ごしています。コスモヴューファームでは新しい育成施設の建設が進み、より充実した牧場へと生まれ変わりつつあります。従来よりも長い坂路コースは来年の夏までに完成する見込みですし、一部の厩舎はリニューアルを終えました。これらの新施設を活用して、これまで以上に強い馬を造りたいと心が躍ります。
さて、コロナ禍の中、サラブレッド市場は十分な対策を取りながら7月のセレクトセールから始まり、セレクション、サマー、セプテンバーセールと無事に実施されました。世界経済の動きが悪くなったことは少なからずセリの売り上げにも影響すると思っていましたが、予想に反してセレクトセールの売却総額は過去最高だった昨年の売り上げに次ぐ歴代2位(104億2800万円)で、ただただ驚くばかりです。その後のセレクション、サマーセールもその勢いのまま高値が続き、仕入れには苦戦しました。昨年がかなり高かったので、今年はいくぶん仕入れやすくなるだろうと思っていましたが、まったくの見当違いでした。
それでも、なんとか良い馬を仕入れることができました。一時的な体調不良などで第1次募集に間に合わなかったコスモヴューファーム生産馬も、成長を確認した上で今回のラインナップに加えています。13頭とやや少なめではありますが、血統的にはバラエティ豊かで、期待を持てる馬たちが揃いました。 厳しい世情の中でも、競馬は人生を彩ってくれます。愛馬を見つけていただき、楽しんでいただけましたら幸いです。
2020年11月
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